
朝、子どもを起こして着替えを手伝い、家族みんなで一緒に朝食を食べる。 私にとって、この時間が一日の中で一番好きかもしれません。子どもは毎日表情が違って、本当に可愛らしいです。「今日も一日がんばろう」と、静かに気合いを入れ直す大切な時間です。
さて、家族の笑顔から力をもらい、今日向かうのは「焼土(しょうど)の運搬」という、少し骨の折れる作業です。
稲のベッドの土台、「焼土」とは何か?

皆様は「焼土(しょうど)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 これは、お米の種籾(たねもみ)から苗を育てるための「育苗培土(いくびょうばいど)」のベースとなる土のことです。
山から採れた赤土を高温で焼き、細かくパラパラとした粒状にしたもので、雑菌や雑草の種が死滅しているため、苗にとって非常に清潔な環境を作れます。後日、この焼土に肥料や水持ちを良くするピートモスなどを混ぜ合わせて、ようやくフカフカの「稲のベッド」が完成します。
今年は20ha分の苗を育てるため、なんと合計8トンもの焼土が必要になります。
レンタカーと、雪残る下田への道

朝一番でレンタカー屋さんへ向かい、2トントラックを借りました。 向かう先は、三条市の下田(しただ)地区にある焼土工場です。
南波農園のある燕市周辺は、3月中旬の今はもうすっかり雪が解けていますが、山間部である下田へ向かうにつれて、景色は一変します。 道の両側にはまだまだ分厚い雪が残り、遠くの山々も白く輝いています。その雪解け水を勢いよく運ぶ川の透明さ。トラックの窓から見えるその風景は、「綺麗だな」と声に出してしまうほど美しく、春の訪れを力強く感じさせます。
よく晴れた、絶好のドライブ日和です。
8トンを運ぶ、地道な反復作業

工場に到着すると、1トンずつ入った巨大な袋(フレコンバッグ)を2つ、業者さんが手際よくトラックの荷台に積み込んでくれます。さすがプロ、フォークリフトの扱いが滑らかで無駄がありません。勉強になる(積み込み:約10分)
そこから再び40分かけて、燕市の南波農園の作業所へ戻ります。 到着したら、今度は自分でフォークリフトを操縦して荷下ろしをし、空になったパレットをトラックに積みます。(荷下ろし:約10分)
これを、合計4往復。 片道40分の道のりをひたすら往復し続けるため、なんやかんやで丸一日がかりの作業になります。
のんびりやるしかありません。焦ってアクセルを踏んだところで、到着時間は数分しか変わらないのですから。
経営者としての葛藤。作業を見直す時期

正直に申し上げますと、この往復作業は非常にめんどくさい(笑)。 もちろん、工場にお願いすれば農園まで配達もしてくれます。その方が圧倒的に手間もかからず、体も楽です。
では、なぜわざわざ自分でレンタカーを借りてまで運ぶのか? それはひとえに、配送料を少しでも削るためです。
これまでは、自分の労力を提供することでコストを抑え、何の問題もなくやれていました。しかし近年、管理する田んぼの面積が160a増え、総面積が20haに近づいてくると、少し状況が変わってきました。
春先の貴重な一日が、この「運搬作業」だけで完全に潰れてしまうことの負担が、想像以上に大きくなってきたのです。各作業のスケジュールが少しずつ押し始めているのを感じます。
「自分の時間を削ってコストを下げる」段階から、「コストをかけてでも時間を買い、より重要な栽培管理に集中する」段階へ。もしかすると、経営者として作業のやり方を見直す時期に来ているのかもしれません。
そして、夕方の日常へ

そんな葛藤を抱えながらも、無事に8トンの運搬を終え、夕方にレンタカーを返却しました。
泥臭い仕事が終われば、また「父親」の時間に戻ります。 これから子どものお迎えです。 「今日の夕飯は、何を作ろうかな」。 そんなことを考えながら、今日も無事に一日が終わろうとしています。
皆様も、今日一日お疲れ様でした。

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